老後に必要なお金のはなし ~第4回~
皆様、「あさひ行政書士法人」、「一般社団法人ライフエンディングステージ」の代表を務めております西木でございます。今回のテーマは「老後に必要なお金のはなし」です
これはよく相談される質問です。正解は人それぞれ違うということになります。年金などの収入、生活水準、生活の必要経費、現在の年齢により必要な老後資金は変わってきます。
平成30年(2018年)簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳です。では、皆さんが老後資金を計算するときに平均寿命まで生存すると仮定して計算するのが適切でしょうか? 違います。万一平均寿命よりも長生きしても破産することが無いように余裕をもっておくべきです。
2025年頃、団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になります。もう目の前です。その頃を境に介護や医療を必要とする高齢者が増加し始め、日本の介護・医療は危機的状況を迎えるという説もあります。健康であればあまり心配は無いのですが、体調を崩し、自宅で生活できなくなると必要な資金も多くなる傾向にあります。
老後の最低日常生活費は、夫婦二人で約22万円。ゆとりある日常生活費は、夫婦二人で約36万円(生命保険文化センター:令和1年調査)となっています。
皆さんの年金を含む毎月の収入、毎月の支出はどうなっていますか? 月によって差があるはずですが、およその平均値を計算してみてください。
毎月の支出(平均) 円(A)
毎月の収入(平均) 円(B)
その差 (A)-(B) 円(C)
90歳まで健康又は要支援
95歳まで要介護と仮定して
(90-現在の年齢)×12= 円(D)
健康又は要支援の時期(90歳まで)の必要資金
(C)×(D)= 円(E)
要介護の時期の必要資金(90歳から95歳まで)
(C+8万円)×60か月= 円(F)
※平均の介護費用は月額約8万円、介護期間の平均は約5年(生活保険文化センター全国実態調査)
老後に必要な資金の目安
(E)+(F)= 円
上記の計算は目安です。例えば将来一人暮らしになり、しかも介護状態になれば高齢者施設への入居を検討することになります。その時の入居費用なども考慮しておく必要があります。持ち家を売却して、その費用を充当するならば手当てできますが、持ち家が無ければ計画に参入しておく必要がありますね。また、一定の予備費も設けておいてください。お孫さんの結婚祝いとかお子様の新築祝いとか何かと出費があるものですよね。
まだ時間がありますよね。不足が生じる方は今から生活出費を見直しましょう。ご自身の資産寿命を延ばす日々の努力が必要です。また、最も大切なのは、健康体で生きることです。要介護状態になると出費がかさみます。老後資金の最善の対策は、実は健康なのです。食事、運動に留意し、健康的な生活を心掛けてください。